マイクロクレジット研究

先日、若手の起業家を育てる事を目標とするNPO法人ETIC.(エティック http://www.etic.or.jp/)主催の以下のシンポジウムに参加した。

[1月24日(土)開催
社会起業家を育てる大学教育と社会起業家研究」
ファズレ・ハサン・アベッド氏(BRAC 創立者 総裁)基調講演
●ファズレ・ハサン・アベッド(Fazle Hasan Abed)
  BRAC 総裁 http://www.brac.net/]

同氏について僕が知ったのは、NHKの沸騰都市
第3回 「ダッカ“奇跡”を呼ぶ融資」(http://www.nhk.or.jp/special/onair/080622.html)を観てからだ。

それまでは、マイクロクレジットについては、やはりノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士の創立した「グラミン銀行」が非常に有名で、僕はそれ以外の同システムを運営する大きなNGO,企業などを知らなかった。だが、上記のテレビ番組を見て、僕はBRACにも非常に強い関心を持った。そして幸運な事に、その創始者の講演があるとメールマガジンに記載されていたので、早速申し込みをした。


僕は、人道支援のNGOなどの運営は、一部の例外を除き、経済的に独立しなければ、持続可能な社会の変革は望めないとの基本的な考えがあるので、それを実践している世界最大のNGOがBRACであると知って、感動に震えたのを覚えている。

ファズレ・ハサン・アベッド(Fazle Hasan Abed)氏についてー
 1936年バングラデシュに生まれ、ダッカ大学および英国グラスゴー大学
 に学ぶ。チッタゴンシェル石油で上級管理職の地位にあった30代半ば、
 戦乱により職を辞して、ロンドンにてバングラデシュ独立戦争に尽力。
 戦後、独立を果たしたバングラデシュに戻り、BRACを創設してバングラ
 デシュ北東部のへき地で戦争による難民の社会復帰を支援する。
 BRAC創立の第一の目的は、貧困の軽減と貧しい人々に力を与えることで
 あった。現在BRACはアフガニスタンスリランカパキスタン、タンザ
 ニア、ウガンダ南スーダンリベリアシエラレオネなどの国々にも
 開発介入活動の範囲を広げている。BRACを率いてのこうした功績が認め
 られ、ロックフェラー財団“Bridging Leadership Award”(2008年)や
 クリントン財団“Global Citizen Award”(2007)など、国内外から
 数多の賞を受けている。また、BRACは2008年、人道的な活動に贈られる
 世界最大の賞“Conrad N. Hilton Humanitarian Prize”を受賞している。


同氏に直接話す機会が短時間だがあり、また名刺をいただいたこともあり、僕がマイクロクレジットの銀行を設立する為の方法を、改めてメールで伺った。
その答が以下である。

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Dear Yuji Sakuma,

Thank you for your interest in BRAC. your email was forwarded to me by our Chairperson, Dr. Abed and he has asked me to deal with your request.

We are very happy to know that you would like to contribute to poverty alleviation through micro credit and hence would like to learn from BRAC. What makes BRAC’s microfinance programme unique is that in our programme, the credit is accompanied with various forms of assistances to support the borrower. Also, BRAC has a number of social enterprises that work like a marketing outlet for the finished products of our borrowers. They also receive other services such as healthcare, education for their children, legal support etc. in short, BRAC has a holistic approach towards development to empower poor people and help them come out of poverty.


The best way to learn about our development work would be to do an internship with BRAC in the Economic Development Programme. this would involve you meeting our senior Programme officials at the Head office, then going to the field to observe the field operations of our microfinance programme and related activities, and finally doing a presentation based on your observation and experience. This way, you get to learn about BRAC, and we get to evaluate your learning. Depending on how many field locations you would like to visit and whether you would like to see the diversity of the programme in different areas, the duration of the internship can range between 4 – 12 weeks.

Our next session for internships start on the 1st week of April. please let me know if you would like to participate int hat session, then I can process your application. The details of application procedure is on our website.
Please feel free to contact me if you have any further query.
Best wishes,

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さて、BRACについて、インターネットで調べてみると、いくつかのサイトで参考になる情報が得られた。特に、ある大学生のBRAC訪問日記である。
BRACは世界的に有名なので、世界からツアー団体が来るらしい。
この学生たちのサイトでは、やはり理想と現実が書いてあり、かなり参考になった。
特に、NGOという側面よりも、やはり自家発電型の組織である以上、僕が当初考えていたよりも利潤追求性が感じられた。しかし、これを否定するつもりは、僕にはない。大切なのは、その方法と社会に与えるプラスのインパクトであるからだ。

だが、やはり自分自身でバングラデシュに出向き、グラミン銀行やBRACを訪れる必要があるだろう。まだまだ、僕には知識面の補強が必要だ。今後読む代表的な本は、以下のもの。

・貧困のない世界を創る ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義
ムハマド・ユヌス

・グラミンフォンとうい奇跡 ニコラス・サリバン
グラミン銀行を知っていますか 貧困女性の開発と自立支援
坪井ひろみ
・マネジメント・開発・NGO 「学習する組織」BRACの貧困撲滅戦略 キャサリン・H・ラヴェル

・「南」からの国際協力 バングラデシュ グラミン銀行の挑戦 渡辺龍也 岩波ブックレットNo.424

さて、以前の日記で僕は今、昨年の夏に訪れたネパールの孤児院rainbow children home(www.orphancarenepal.org)に毎月の支援をしているが、先日ネパール経済のデータを調べていて、改めて驚いた事実がある。ネパールの一人当たりGDPは300ドルで、日本の30000ドルの1/100だということだ。
(先日あるTVでネパールの秘境を開発してきた素晴らしい生き方をされている人の話を放送していた。近藤亨 「秘境に虹をかけた男 ムスタン物語」今後、同氏の運営するNGO:ネパール・ムスタン地域開発協力会にお話を伺いたいと考えている)


これにショックを受け、僕は上記の孤児院に、単なる資金援助ではなく、マイクロクレジットのシステムを導入するのはどうか、と代表者のGoma Dhakalに相談した。すると、それはよいアイデアだという。

具体的にどのように始め、運営するのか、今後話を進めていこうと考えているが、まだ本当に手探り状態だ。であるにしろ、実際にマイクロクレジットのを始める対象が現れたのは、本当に素晴らしい事である。

今後、本や勉強会やなどに参加し、可能ならビジネススクールで専門的に学びながら実践したいと想うが、それはまだ先の話になるだろう。

さて、今まで読んできた本で、素晴らしい本を2つほど紹介したい。

・想い描く世界に きむ
・1歳から100歳の夢 日本ドリームプロジェクト いろは出版

これらはフォトエッセイ、詩集のような作りで、非常に読みやすい。やさしい言葉に、励まされる。
特に後者は、本当に日本の1歳から100歳までの夢を紹介しており、とても面白い。
※僕の夢の一つは、「1歳から100歳の夢」の世界編を創る事です。

僕は、今まで30カ国弱、僕の双子の兄弟はアフリカ大陸縦断のたびを含め30弱の国を旅してきたので、旅で出会った人たちに再度連絡を取れたら、世界の人の「1歳から100歳の夢」を編纂できるかもしれない。

少なくとも、今の段階でフォトエッセイなどは出版できる可能性は十分あるだろう。


今後、出版社に連絡をとってみようか、と思っています。でも出版って、難しいでしょうか??